2010/12/10

リビングルーム徳島両国本町営業終了












徳島両国本町のリビングルームが11月28日で営業を終えました。写真は両国本町商店街の皆さんとの振り返り会の最後の様子です。
最後に私が何かを話すことがおこがましいと思うほどに、リビングルームは街のものになっていました。いつのまにかマナー教室がひらかれたり、街の役員会が行われ続けたり、私がいない時に常連になったという人にリビングルームのルールを1から説明されたりと、月に一回通う度にリビングルームが私の予想を大きく裏切ってくれました。

何者の仲介もなく、私と両国本町商店街のやりとりによってはじまったこと。アートプロジェクトがなにか、など説明する暇はあるはずもなく、ただただ《リビングルーム》を訴えつづけた開店までの準備期間。既存の説明語に守られない交渉ほど厳しいものはありません。あの時の幾多の対話が基盤となったからこそリビングルームは五ヶ月間静かに変わり続けたのだと思います。













最後には、あたかも最初にかえったかのように片付けられたリビングルーム。
この街にとっての「リビングルームが在る事」、五ヶ月間のうちにできていたその常識が、片付けられることで浮き上がって来ます。私が徳島に通い続ける日々も同時に終わりを迎えました。

続けるとしても残さないといけない事と、終わった時に浮き上がってくる事はとても似通っているような気がします。

いつかまた行ったとしたら、おそらく阿波踊りか何かで行くのなら、リビングルームが在った場所とその周りを訪ねてそこらへんを言葉にするために歩いてみようと思います。


北澤潤